北の学芸員

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help リーダーに追加 RSS 早すぎる梅雨明け(1) 東京方面出張と展覧会見学

<<   作成日時 : 2008/07/11 23:44   >>

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あっという間に6月が終わり、6月末に39歳になり、梅雨まで明けてしまった。7月初めに特別展の写真撮影立ち会いや資料調査のため東京方面へ出張。その際、用務として「佐倉」(「旅」展)に、それ以外では、仕事帰りにサントリー美術館(「KAZARI」展)、1日余計に滞在して江戸東京博物館と印刷博物館(「1950年代のデザイン」展)を見学した。恥ずかしながら「佐倉」は初めてだったが、特別展と常設展とミュージアムショップで終日過ごしくたくただった。「旅」展は江戸時代の徒歩による「旅」から明治以降の鉄道による「旅行」へという変化が展示構成の柱となっていた。シンプルだと思うが、柳田国男も指摘する「旅は憂いもの」という側面、長期の旅の途中で病気やケガで倒れたり、死に至ったり、村継で居村・出身村に返したり…という問題や、鉄道旅行にしても文明開化期のそれと大正・昭和のそれとの違いがあるはずであることなどについて言及されていないのが気になった。常設展は…国立の博物館の歴史展示の難しさをあらためて痛感した。もちろん、公立の博物館にも同じことは言えるけれど、対象とする範囲が広がれば拡がるほど難しいように思う。さすがに考古〜中世、第一展示室と第二展示室は充実していたし、近世=第三展示室のリニューアルも意欲的ですが…ホントに難しいですね。ミュージアムショップでは全国の博物館の展覧会図録も販売していて、佐倉の歴史展示論に関する研究報告集と「旅」展の図録のほかに数冊を購入。
翌日は徳富蘇峰記念館での仕事の帰りに新橋で下車し、六本木のサントリー美術館に行った。六本木ヒルズと東京ミッドタウンを勘違いしたとはいえ、それにしても、新橋〜六本木は遠かった。凄く暑かったしフラフラ。でも、充実した展覧会で満足。ただ、全体的には、飾ることが日本人の伝統というような言い方は説明になっていないように思う。「日本人の伝統」といった表現を近現代史研究者が黙って見過ごすはずもないが、それはさておくとしても、魔除けであるといったことも含めて、飾るという行為についてもう少し突っ込んで欲しかったように思う。まあ、歴史博物館の学芸員の発想かもしれませんが。
江戸東京博物館は何年ぶりだろう。ちょうど、ハリスと王義之の特別展の間というタイミングで残念。でもかえって常設展の見学に専念できた。模型や再現ジオラマには「敵いません」と思うし、「江戸」ゾーンは良くも悪くも、例えば外国人に対する日本―江戸文化の紹介として機能しているのは間違いない。ただ全体として、まだまだほかにやりようがあるような気はする。漠然としていて申し訳ないですが。特に充実しているのは印刷文化に関する展示ですね。「東京」ゾーンもまだいろいろな余地があるように思う。特に、関東大震災や東京大空襲に関する展示が充実しているが、両国という立地もあるのかな。
江戸博の後は印刷博物館に行った。凸版印刷の本社ビルの中にあるが、これが立派な博物館でした。さすがに東京、土曜日でもあり観覧者が多かった。「1950年代のデザイン」展は時代ごとのデザイン展の一環で、内容の濃い展覧会だったが、前に開催された「美人のつくりかた」展に比べると(私は展覧会図録を購入)、印刷技術に関するアプローチがあまり見られなかったのが残念。常設展も充実していたが、凹版・凸版・平版それぞれについて、あるいは最近・最新の印刷技術についてももう少し詳しいことがわかるとよいと思った。ガリ版印刷に関する展示がなく、コピー機の問題に言及されていないのも残念でした。

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